毎月のキャッシュフローが実は儲けではないケース

借入金の元金返済は実な不動産投資においては儲けであると以前記載しました。
では、毎月のキャッシュフローは確実な儲けといえるのでしょうか。
実は手元に残る現金と言っても、儲けとはいえない場合があります。

この点を考えてみたいと思います。

キャッシュフローは儲けではない?

毎月キャッシュフローが出ているんだから、自分は不動産投資に成功していると
おっしゃる方は多いですね。

有名投資家の紹介文にも、「年間CF1億円!!」などの煽り文句がついていたりします。

では、毎月のキャッシュフローがあれば、もう勝ちは決まったのでしょうか。
そうではないケースも多いと思いますので、ここで考えてみます。

次の例で考えてみましょう。
前提:表面利回9%、1億円、金利4.5%のフルローン、経費率30%、
10年後に7千万円で売却

毎年のキャッシュフローは出ているのですが、最後に大幅にマイナスが出てしまい、
10年間の投資成果としてはかなりのマイナスになりました。

これは、物件価格が残債以下に値下がりしてしまい、今まで蓄積したキャッシュフローを
すべて払っても抵当権を抹消できなかったのです。

また、キャッシュフローはマイナスなのに、税金は発生するのでその支払も
必要になってきます。

全体として踏んだり蹴ったりですね。

表面利回りが高ければ値下がりをカバーできる可能性

では、値下がりする物件が全て駄目かというとそういうわけではありません。

結局のところ、値下がりで損をするとしても、それ以上に月々のキャッシュフローを
稼げればよいのです。

例えば、先程の例を表面利回り15%として見てみましょう。

確かに売却時に大幅な損失が出てしまいましたが、毎年のキャッシュフローがとても
大きかったため、十分に物件値下がりによる損失をカバーして余りあるような状況ですね。

物件価格が値下がりしても最終的に儲けることができるケースとは、このように、
何と言っても表面利回りの高さでカバーできるというケースと思われます。

不動産投資において儲けとは何か?

結局のところ、不動産投資における儲けとは、

「家賃-運営経費-元利返済-税金」

で計算できる超過収益と、

「元金返済により借入を自己資本に転換した部分を売却により回収した金額」

の合計額なのです。

よって、物件の値下がりが大きく想定されるような場合には、元金返済部分を
回収できないため、物件の超過収益でその下落を賄えない場合には、全体として
損をすることになります。

一方で、物件の超過収益力が低い場合にも、物件の価格下落が想定されない場合には、
元金返済部分を売却時に回収することにより儲けることができます。
首都圏の不動産が表面利回りが低いのに売れるのはこのためです。

本来、地方の不動産は、価格上昇は期待できないものです。
このため、本来高い表面利回りにより大きな超過収益を得なければ、
投資として儲からない、むしろ損をしてしまう可能性すらあります。

今は地方の物件ですら値上がりし、大きな超過収益を獲得しづらくなっています。
では、一方で将来の売却価格は維持できるのでしょうか。

このあたりのポイントを総合的に考えなければ、不動産投資で儲けることは
なかなか難しいのではないでしょうか。

税理士、不動産経営アドバイザー
税理士ですが、一都三県にて不動産経営を第2の本業として取り組んでいます。
不動産の最大の経費は税金ですが、税金だけ見ていても上手く行きません。徹底的な数値化と経験に基づき、個人・法人・銀行・追加取得・売却をトータルに判断するお手伝いをしています。

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