不動産投資の出口をどのように考えるか

不動産投資は不動産を購入したときからスタートです。

その後購入した不動産を運営して行くことになるのですが、
最後はどうなるのでしょうか?

この出口を意外と意識していない方が多い気がします。

不動産投資の出口

不動産投資の出口として考えられる方法は、以下の4つくらいしか考えられません。

①保有し続け、最後は建て替え

ずっと保有し続け、債務返済後も保有し、建物の耐久度が事業に耐えられなくなった
タイミングで取り壊し、新築物件を建設してまた運営していく。

このような、同じ土地の上で建物のサイクルを回していく考え方があります。

不動産の王道といえば王道なのですが、果たして不動産投資家にとって実用的か
と言われると・・・どうでしょうか。

建物の取り壊しや建て替えには、それなりのコストがかかります。
建物がRC造であったりすると、取り壊しだけで数千万円は要するでしょう。

また、入居者がいる場合はこれを退去させなければなりません。
入居者は借地借家法で守られていますので、嫌だと言われれば強制的に
退去させるわけにも行きません。
1戸2戸が粘るために建て替えできないというような話も聞きます。

このように、建て替えには様々なコストがかかるわけですが、
さて不動産投資家はそのコストに耐えられるのでしょうか?

フルローン・オーバーローンを筆頭に、融資割合が高い借入を行った場合、
毎年のキャッシュフローは非常に小さいです。

RC物件であれば、総投資額の1%程度というのもごく普通です。
2億円の物件を購入して、年キャッシュフローが200万円と言うのは、
それほど珍しい話ではありません。

そう考えると、果たしてRCの建て替えに要するコストを蓄積するまで、
一体何年かかるのでしょうか?
5,000万円かかるとしても、33年ですね。

一方で、33年間運営していくには、その間必ず大規模修繕が必要になります。
これに500万円程度を見るとします。

そう考えると、35年でようやく取り壊しのコストを蓄積できるということに
なるというわけです。
これは、35年間高稼働で物件を運用し、デットクロスも考えず、

、今保有している物件の築年数は何年でしょうか?
築20年としますと、35年後にはもう築55年の物件なのです。

はたして、築50年のような物件に、賃貸付けが今まで通りできているのでしょうか?

たまに築45年や築50年の物件を見ることもありますが、正直かなり
の大規模修繕を行っていないと、入居付けをできるとは思えません。
あるいは、大幅な家賃の切り下げが必要となるでしょう。

②保有し続け、最後は更地

①との違いは、既存建物の取り壊し後に新たに建物を建設するか、
それとも建設せずに更地としてマンション用地などとして売却するかです。

これも、待ち受ける困難としては、①とさして変わりません。
土地売却によって、最低でも残債を賄わねばなりません。

土地売却は建物の解体後に行うので、解体費は何らかの方法で捻出する
必要があります。

今持っている上モノを稼働させて、解体コストを捻出できれば良いのですが、
通常はなかなか想定できるものではありませんよね。

③売却する

売却するという選択肢がありますね。
不動産投資では一種最もありえる出口かもしれません。

というのも、建物を処分するというのは、大変コストがかかるものです。
このため、建物を処分すること無く次の投資家に引き継ぐのは、
非常に合理的な選択肢でしょう。

④法人ごと売却する

飛び道具的な出口ですが、法人で物件を保有している場合、その法人ごと
売却するという方法もあります。

メリットとデメリットがありますが、現実的に誰でも採用できる出口ではありません。

再建築なら、土地値が重要

再建築するキャッシュ的な困難さを記載しましたが、実際は解体費を自分で賄う
必要は無いかもしれません。

つまり、建て替えを検討する頃になると、残債もかなり減少しているでしょうから、
建物に価値は無いとしても、土地の担保価値は出ているはずです。

このため、この土地を担保にして、解体と新築の資金を調達するというのが
現実的な対応策でしょう。

そう考えると、将来的に土地の担保価値の出る場所かどうかということが、
不動産の持ち切りを考える上で重要になってくると考えます。

相続税路線価の積算で、その解体と再建築に必要な資金を一定程度カバーできていると、
将来の見通しを立てる上で非常に心強いですね。

キャッシュ効率では売却がダントツで良い

売却はキャッシュ効率を考えると、ダントツでおすすめです。

先程記載したように、不動産を保有することで得られるキャッシュフローは、
正直なところたかが知れています。

かつてのように、築15年のRCが表面10%後半で購入できていたような時代は
キャッシュフロー重視の投資をできたかもしれませんが、地方でも平気で10%
未満の物件が出ている現在において、キャッシュフロー重視の投資は正直
成立しにくいのではないかと考えています。

このため、現状では不動産投資におけるメインの儲けは、元金返済部分になるでしょう。
(もちろん、この元金返済を儲けとするためには、物件価格の下落を抑えねばなりません)

この、元金返済部分は何らかの方法で現金化しない限り含み益に過ぎず、利用できません。
元金返済部分の現金化を、売却によって行うことが出来れば、現金をまとめて回収
することができます。

そして、ここからが重要なのですが、回収した現金を再投資することができるのです。
これにより、現金を加速度的に増加させることができます。

物件を売却しないと、元金返済により拡大した純資産はあくまで含み益ですので、
再投資することができません。

このあたりは数字で見たほうがわかりやすいので、次回に数字で検証してみます。

税理士、不動産経営アドバイザー
税理士ですが、一都三県にて不動産経営を第2の本業として取り組んでいます。
不動産の最大の経費は税金ですが、税金だけ見ていても上手く行きません。徹底的な数値化と経験に基づき、個人・法人・銀行・追加取得・売却をトータルに判断するお手伝いをしています。

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