隠れ債務超過?不動産投資におけるバランスシートの見方

ここ最近物件を購入したものの、その後購入できなくなったと
嘆く方は非常に多いです。

その原因は十中八九、バランスシート(貸借対照表)が債務超過に
なっているからです。
債務超過になれば、銀行は通常融資をしてくれません。

ですので、債務超過には気をつけなければならないのですが、実は
バランスシートの見方は2つあるのです。
この点を注意しないと、債務超過になっているのに、気づかないという
恐れもあります。

今回はその点を考えてみましょう。

1つのバランスシートに2つの見方

皆さんも、バランスシートをお持ちだと思います。
実は、このバランスシートには2つの見方があるのです。

  • 個人・法人が実際に持っているバランスシート

個人であれば、確定申告書に付属する貸借対照表、法人であれば、
決算書に貸借対照表があると思います。

皆さんがご自分で作成する場合もあるでしょうし、税理士に作成を
依頼されている場合もあるでしょう。

このような、みなさんが普通に見ることのできるバランスシートが1つあります。

  • 銀行が融資審査で作成するバランスシート

もう1つは、銀行が融資審査の際に見るバランスシートです。
これは、(1)のバランスシートを、銀行が独自に再評価して作成するものです。
融資審査の際に、銀行側で勝手に作成します。

審査資料ですので、皆さんは見ることができません。

 

では、この2つの見方は何が異なるのでしょうか?

個人・法人が実際に持っているバランスシート

皆さんが実際に持っているバランスシートは、ある大原則に従って作成されています。
それは「取得原価主義」というものです。

これは、簡単に言うと、
「資産は購入時に実際に支払った金額で計上する」
というものです。

例えば、建物を100円で購入し、90円の借入をした場合、バランスシートは
次のようになります。

この場合、実際に100円を支払って建物を購入しているので、バランスシートには
建物は100円で計上されています。

そして、借入は90円ありますので、純資産は100-90=10円となっています。

この状態は、債務超過ではありません。純資産がプラスに維持されています。

銀行が融資審査で作成するバランスシート

皆さんは銀行に融資申し込みをする際に、必ず「確定申告書を提出してください」
とか「決算書を提出してください」と言われると思います。

これにはいろいろな理由があるのですが、その一つが、銀行が独自に
バランスシートを作成するという点があります。

[2]の例では、建物を100円で購入していたのでバランスシートには100円で
計上されていました。
しかし、銀行はこの100円で計上した建物について、支払った金額ではなく、
本当に100円の価値があるのかを検証してくるのです。

つまり、支払った金額ではなく、実際の価値(時価)を見てくるのです。
この時価として通常使用されるのが、いわゆる積算価格です。

仮に、この建物が昭和60年築の木造建物であり、銀行から見た価値が
10円であったとしましょう。

このように見た場合、あなたのバランスシートは下のようになってしまいます。

おわかりでしょうか?

建物を購入する際に、100円支払ったにも関わらず、
建物が10円になってしまっています。
つまり、建物の価値は実際には10円しかないので、
それに置き換えられてしまったのです。
支払った金額は関係ありません。

一方で、皆さんが90円の負債を負っていることは事実です。

よって、10円-90円=△80円となり、純資産は大幅なマイナス、
つまり債務超過状態となってしまいました。

皆さんが見ることのできるバランスシートは、[2]で記載したとおり、
債務超過ではありませんでしたね。

しかし、実は、融資の審査上は債務超過なのです。
この場合、融資を追加で受けることはなかなか難しいでしょう。

このように、銀行目線で債務超過となっているために、
追加融資を受けられないのです。

 

不動産投資は、銀行からの融資を受けることなく行うことはなかなか困難です。
このため、自分のバランスシートをそのまま真に受けるのではなく、銀行が
どのように見ているのか検討することが不可欠です。

税理士、不動産経営アドバイザー
税理士ですが、一都三県にて不動産経営を第2の本業として取り組んでいます。
不動産の最大の経費は税金ですが、税金だけ見ていても上手く行きません。徹底的な数値化と経験に基づき、個人・法人・銀行・追加取得・売却をトータルに判断するお手伝いをしています。

Follow me!