不動産投資でも開業費は要チェックです

不動産を個人で購入することもあるでしょう。
その場合、物件を購入する前に買った書籍やセミナー代、交通費などは
経費にならないのでしょうか?

これは、開業費に該当する可能性が高いです。

個人事業者の開業費とは?

所得税法施行令第7条

開業費(不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用をいう。)

定義はこれだけですね。

つまり、
①事業を開始するまでの間の支出で、
②開業準備のため特別に支出したもの

であれば、開業前の支出でも開業費にできるのですね。

これに該当するのであれば、以下のような支出を開業費とする
事ができます。

・ 事業を開始するまでに特別に支出する広告宣伝費、接待費、旅費、調査費等
・ 開業準備のために特になされた借入金の利子、使用人給料、土地建物等の賃借料
・ 開業準備のために消費された電気、ガス、水道の料金等

つまり、物件視察のための交通費、セミナー参加代、業者との打ち合わせ代、
不動産投資の勉強用の書籍代、自宅を事務所にするならその水道光熱費・家賃、
名刺代、会計ソフト購入代 等々

結構いろいろなものが開業費として経費にできる事になります。

しっかりと意識しておきましょう。

もちろん、特別に支出するものですので、通常のプライベートで使用するような
支出は開業費にはできないでしょう。
開業、つまり収益用不動産を購入するために必要であったのだと説明できる
ようにはしておきましょう。

開業費にならないもの

以下のようなものは開業費にならないので、注意しましょう。

①10万円以上の資産の購入

10万円以上のパソコンやソフトウェア、宅配ボックスなどの資産を購入した場合は、
開業費ではなく固定資産になります。

この場合、開業日から減価償却することになります。

もちろん、青色申告であれば、30万円未満の資産は開業日に経費計上できます。

30万円未満であれば経費にできるのですが、経費に持っていく経路が異なるので
注意が必要です。
この経路を間違うと、下手をすると否認される恐れもあります。

②物件購入融資の利子

あまりないでしょうが、開業前に融資の金利を支払った場合、不動産投資
であれば、それは土地建物の取得価格になるものです。
要は、固定資産の一部という認識です。
このため、このような金利は開業費にはなりません。

これは、開業時の経費になることなく、取得した資産の耐用年数期間で
減価償却されることになります。

いつまで前の支出までOK?

不動産投資を勉強し始めて長いような場合は、物件を探し始めて
2年3年と時間が経っている場合もあるかもしれません。

実際、長期間物件を探しているが購入まで至っていない人は
それほど珍しくありません。

じつは、開業費については、その支出の時期に関する規定がありません。
よって、本来は何年前の支出であろうが開業費にできるはずなのです。

ただ、その場合は、「そもそも本当に開業準備をしていたのか」
「本当に開業準備のための支出なのか」という点をキッチリ説明できるように
しておくべきです。

日記や物件検討の履歴、手帳の記載。仲介業者とのメール履歴などから、
その時点で開業の取得準備活動をしていたと証明できることがベストでしょう。

一般的に、開業費は長くて半年前までなどと言われるのも、そんなに長い間
開業準備をしていることを通常では想定しづらいからです。

ただ、不動産の取得は実際に長期間を要するケースも多いので、半年などという
一律の考え方をすべきではなく、実態を確認すべきです。

このような先入観を打破するためにも、しっかり証明できるようにしておきましょう。

税理士、不動産経営アドバイザー
税理士ですが、一都三県にて不動産経営を第2の本業として取り組んでいます。
不動産の最大の経費は税金ですが、税金だけ見ていても上手く行きません。徹底的な数値化と経験に基づき、個人・法人・銀行・追加取得・売却をトータルに判断するお手伝いをしています。

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