不動産投資家は孤独です

不動産投資家は孤独です。
なかなか相談できる人がいません。
私自身も苦しんだ点ですが、なぜそうなってしまうのでしょうか。

不動産会社に相談できない?

最初は、不動産会社に相談できるのではないかと考えていました。

しかし、そうではなかったのです。

不動産会社は「不動産の専門家」ではありますが、
「不動産投資の専門家」ではないのです。

不動産の権利関係の調整、売主と買主の利害調整、土地の実測…
といった、実物の不動産に関しては、不動産業者は専門家です。

しかしながら、その不動産を購入した場合にどうなるのかを
考えることは彼らの職責ではないのです。

つまり、あなたの不動産投資の成功について、彼らの相談しても
「いや、そんなことは投資家さんが考えてよ」

というのが彼らの本音でしょう。

言葉は悪いですが、不動産会社の立場では、あなたの
不動産投資の成功など知ったことではないのですから。

コンサルタントに相談できない?

世の中には、不動産投資のコンサルタントを称する人たちがいます。

私も以前何人かと会って相談したことがありますが、
その言う通りにしなくてよかったというのが今の本音です。

つまり、彼らも実は、投資家の成功を目的としていないことが多いのです。

コンサルタントが金融機関や不動産会社と癒着しマージンを得ている、
コンサルタント自身が仲介や三為で物件を売っている、
そもそもコンサルタントのふりをした不動産会社である…などなど

こうなると、投資家とは明らかな利益背反状態ですので、
コンサルタントを名乗っていること自体が実態に即していません。

もちろん、中には投資家のために活動している良心的な
コンサルタントもいることでしょう。

しかし、そのコンサルタントが「良心的か否か」は
我々投資家が検証しなければならないのです。

 

結局のところ、他者の良心に頼らなければならない
状態は非常に不安定なのです。

税理士に相談できない?

税理士は、基本的にはその年の税金を計算することが仕事です。

最近は経営助言に力を入れている税理士も多いですが、
不動産賃貸経営はいささか特殊な事業ですので、
よくわかっていない税理士も多いのです。

税理士は何となくお金に強そうなイメージがありますが、
不動産投資を本当に相談できる税理士は果たして日本に
どれだけいるでしょうか。

不動産投資のセミナーで、講師で話していた税理士がデットクロスについての
質問に実にトンチンカンな回答をしているのを見て唖然としたこともあります。

もちろん、税理士は、税金に関してはその職責にかけて正確な回答を
出してくれるでしょう。

しかし、その正確な回答が、自分にとって最適なのかは
検討しなければなりません。

ここでも、投資家には、依頼している税理士が相談に値するかは
結局のところ自分で検証しなければなりません。

不動産投資とは、不動産賃貸業の経営に他ならない

結局のところ、不動産投資とは、投資とはいいながら、
実は経営行為に他ならないのです。

投資家は経営者なのです。

どのような物件を購入すべきか(仕入れ)
そのように運営すべきか(運営)
どのように物件を売却すべきか(資産入替え)
どのように資金を調達すべきか(財務)
どのような決算書を作成すべきか(会計)

これらを全て、自ら決断し行わなければなりません。

全ての分野に専門家がいるでしょう。

しかし、その各分野の専門家を束ね、自らの事業にとっての
全体最適を達成するのは経営者たる投資家自身なのです。

各専門家は、各専門家のフィールド上で最適な答えを出してくれるかもしれません。

しかし、その部分最適が、あなたの事業にとって適切であるとは限らないのです。

「信頼のおける専門家を見つけましょう」とはよく言われます。
信頼でできるメンターを見つけようとも言いますね。

その前に、最低限その専門家を検証できる知識を持たねばならないという
のが本当のところではないでしょうか。

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